キューバ留学まとめのはじめ
今月20日(2015/7/20)に54年ぶりにキューバとアメリカの国交が回復した。それぞれの国で両国の大使館が再開され、国同士の交流が進んでいくことで、これから、キューバは経済的にも変わっていくだろうし、また様々な文化も流れ込んでくるだろう。
キューバで出会った何年もキューバを訪れている方から言わせたら、もっと前から少しずつ変わりつつあったとのことだが、国交回復の影響で変わってしまう前の、最後の年にキューバに居られたこと、そして踊りを学べたことはある意味で幸運だったのかもしれない。
自分はキューバが好きというよりは、キューバの踊りや音楽が大好きだ。それらは、たぶん失われないとは思う、自分達の音楽を新しい世界に発信していきたいという若いミュージシャンやダンサーなどもみた、彼らは古きもよく知り新しいこともやっている。
音楽や踊りは、進化していくものもあるし、昔そのままを残したものもある
「歴史のあるもの、新しいものじゃない良さ」
自分はそういうのが好きだ。ダンスをやることで、ただ踊るだけじゃなくて、その歴史を知ることの重要性もわかった。
もちろん世の中に新しい何か、新しい価値を生み出すことも自分がこれから生きていこうとする世界には必要なことだし、自分自身もコミュニティーや社会に価値ある影響を与えられる人になっていきたい。
昨年2014年4月から1年間、ダンスを学ぶためにキューバに滞在していた。
たった一年だけど海外に住むことで、いかに自分の国のことを知らないのかに気づくこともできたし、踊りに関してもそうだ、日本にもたくさんの伝統芸能があるがその中身を詳しくは知らない。
キューバの踊りの勉強して、日本の踊りを知らないのもどうなんだろう。
そういった感じたこと、見たもの、聞いたこと、を振り返りつつ、これから何回かに分けて書いていきたいと思う。
キューバでダンスを習うとき、何を頼りにしたらよいか?
自分もそうだったように、キューバに行ってダンスを学んでみたいと思う人がいると思う。そんな時どうやって先生を探したらよいのか、またはどこにいるのか。。。
まぁキューバに行ってダンスを勉強しよう!なんて考える人は、キューバに行ったことがある知り合いがいたり、すでに日本でキューバのダンスに興味をもって取り組んでいる人ばかりで、その人に先生を紹介してもらったりしてると思うので、探すのに困る人はそんなにいるとは思わないのですが、いざキューバに着いてみたら
「あの先生時間通りに来ないんだよね〜。」
「レッスンのやり方が自分には合わない。」
「ちょっと自分がやりたかったものと違う。」
なんて思うことがあると思います。(実際にキューバでそういう方に合って、自分の習っていた先生を紹介したりもしました。)
そんな時、どんな人達が先生になりうるのかについては知っておいてもいいのかな、なんて思います。
ショーを見に行ってみよう!
自分好みの先生を見つけたいなら、まずは色んなショーを見に行ってみるのが良いでしょう。キューバには数多くのダンスカンパニーがあり、テアトロ(劇場)などで月に何度かショーを行っています。
その他にも、サルサバンドのライブやルンバグループのライブに行くと、そのグループで踊っているダンサーの人達がいます。そこでお気に入りのダンサーをチェック!
「この人の動きカッケーな〜」
「こんなダンス踊ってみたい!」
なんて思えるダンサーに巡り会えるかもしれません。
テアトロ・ライブ会場・その他紹介(自分が良く行っていた場所)
- Teatro Nacional de Cuba(テアトロ・ナショナル・デ・クーバ)
- Teatro Mella (メーヤ)
- Teatro America(アメリカ)
- Teatro Karl Marx(カール・マルクス)
- El Gran Palenque(エル・グラン・パレンケ)
- Callejon de Hamel(カジェホン・デ・アメル)
- Salon Rosado de la Tropical(サロン・ロサード・デ・ラ・トロピカル)
- El Jelenque de Areito(エル・ヘレンケ・デ・アレイト)
- Piano Bar Habaneciendo(ピアノ・バー・アバナネシィエンド)
- Palacio de la Rumaba(パラシィオ・デ・ラ・ルンバ)
ほとんどの場所は、キューバの学生証を持っていればキューバ人価格で入ことができます。持っていない場合は、外国人(観光客)価格で入場となります。
Teatro (テアトロ)系
- キューバ人価格 10MN〜25MN(Moneda Nacionalモネダナショナル・人民ペソ)
- 観光客価格 10CUC(セウセ・兌換ペソ)
各テアトロの予定を確認するには電話をするか、直接現地まで行って確認するしかありません、たいていのショーの場合は満席になることはないので当日入場券を買っても問題ないと思いますが、人気のありそうなショーを見たいときは前もって買っておくことをオススメします。
キューバンミュージカル "Salsa, Mambo, Chachacha"の時は、普段満員にならないTeatro Mellaが満員で、当日はチケットは売り切れになっていました。
ミュージシャンの知り合い曰く、そのミュージカルがアメリカでも公演されるという話だったけどどうなるのかな?その後日本にも?
Maykel Fonts SALSA MAMBO Y CHA CHA CHA ...
El Gran Palenque では
毎週土曜日の午後3時からRumba(ルンバ)のライブ、そこで稽古しているConjuto Folklorico Nacional de Cuba(コンフント・フォルクロリコ・ナショナル・デ・クーバ・国立民族舞踊団)のショーや、チビッコ達の大人顔負けのCasinoのショーを見ることができます。キューバに着いたばかりの時は毎週のように通っていましたが、昨年の11月あたりから補修工事が始まり、しばらく閉まっていましたが現在はどうなっているのか。
- キューバ人価格 5MN
- 観光客価格 5CUC
中に入ると、BAR(オシャレな感じじゃなく)もありお酒などを飲みながら見ることもできます。
Callejon de Hamel
ハバナ大学周辺に住んでいる人ならすぐにアクセスできるこの場所、キューバで信仰されているYoruba族(ヨルバ)の宗教Santeria(サンテリア)の文化を紹介するためのプロジェクトとして、この短く小さな通りが使われています。
ここでは毎週日曜日午後12時ころからライブが始まり、ルンバ、サンテリアを見ることができます。いつでも観光客で賑わっています。
- 入場料無料
Salon Rosado de la Tropical
一番キューバらしいライブを感じられるのはこの場所じゃないかと思います。ここは野外ステージでライブを楽しめる場所になっていて、すばらしいと思うところはCasa de la Musica(カサ・デ・ラ・ムシカ)などと違い、キューバ人でも気軽に入られる値段になっているところです。
なので人気のあるグループの時は超満員、時には喧嘩があったり、でもキューバ人がどんな風に音楽を楽しむのかを見られるいい場所です。
- キューバ人価格 25MN〜50MN
- 観光客価格 10CUC(テラス席も用意してありこの料金を払うとそちらに入れます。)
営業日は金・土・日で、演奏するバンドを知るには電話するのが一番です。トロピカルまでいくと外に演奏するグループの名前と時間が書いてあるのですが、ベダードやアバナビエハからは離れているので直接行って確認するのは面倒です。
電話で開始時間を聞いてもあてになりませんが、参考までに4時PM開演だったり、7時PM開演などあるのですが、演奏開始は良くて10時PM、遅いと11時、12時と待ち時間がやたら長いので、忍耐が必要です。まぁ酒でも飲みながら気楽に待つのが一番です!
2015 02 22 La Habana Salón Rosado de la Tropical ...
El Jelenque de Areito(エル・ヘレンケ・デ・アレイト)
ここではRumberos de Cuba(ルンベーロス・デ・クーバ)の演奏を聞くことができます。自分はここのダンサーでもあるJorge Amadoに最後の数ヶ月、Columbiaを習いました。
ライブによると思うが大体下記の値段:
- キューバ人価格 50MN
- 観光客価格 5CUC
Egrem Rumberos de Cuba y Jorge Amado, Adonis ...
彼の踊りは即興性があって(普通は即興なのでちょっとおかしい表現ですが・・・)見てる人を魅了する力がかなり強い、自分は魅了されたうちの一人です。
実際ににここに会いに行って、レッスンを受けたいですと伝えれば快くOKしてくれます。
Piano Bar Habaneciendo
ハバナ・ビエハのCasa de la Musicaのすぐ側にある小さな箱のお店です。毎週水曜の9:00pmから Osain del Monte (オサイン・デル・モンテ)というルンバグループの演奏とダンサーのショーを見ることができます。
ライブによると思うが大体下記の値段:
- キューバ人価格 50MN
- 観光客価格 5CUC
Osain del Monte - La fiesta del Humo - 2014 - YouTube
関係ないですがココのサイトはCubaの情報がけっこう載ってます。(スペイン語)
Cuba Absolutely | On-line cultural magazine & travel guide for people with a passion for Cuba
キューバでダンスを学びたいと思ったときには、実際にライブ会場やテアトロなどに行ってダンサーを見てみることをオススメします。またダンサーに限らず、「あの人の演奏良いな」と思ったら、パーカショニストなどの音楽家の人達にも話しかけて「教えて欲しい!」と言えば快くレッスンをしてくれと思います。
実際に自分の友達も、習いたいと思っていた音楽家のライブ会場に行って、ライブ終了後に話しかけてレッスンをしてもらうように頼んでOKをもらっていました。
日本では気軽にできそうにないことでも、キューバでは出来てしまいます。「どうしても習いたいんだ」という意志を表したらだれでも快く了承してくれます。
または、実際に現地に行って勉強した方のホームページからメッセージを送って紹介してもらうのもいいかもしれません。
もちろんたくさんの良い演奏、良い踊りを見ることも勉強になるので、キューバ滞在中は練習はもちろん、たくさんのイベントに出かけてみましょう!
そういう自分は経済的にヒィヒィいってたので、行くモノを選んでこれだというモノにいってました。
アジア人は踊れないという幻想を抱くラティーノ
自分はラテン諸国をたくさん知っているわけじゃない。キューバ、ペルーと滞在してみて感じる彼らの思い込みとでもいうのかな。
彼らから見たらアジア人はみんな中国人にみえるのか、道を歩いていると、時々こちらに分かるように中国語風のマネをして、少し、時にはかなりバカにしたようにくだらないと思うような行為をしてくる。
自分は日本人だから「おれは中国人じゃない!」という腹立たしい感情がわいてきて、こいつらバカにしてるのか?と思うことがたびたびある。
でも実際本当の中国人の人はこんな風に言われたらどう感じるのか?同じく腹立たしく感じるのか?
それは実際に質問したことがないので、確かめてみたいことの一つでもある。
その時の言い方によっては腹は立たないこともあるけど、完全に悪意を感じることがある。
それでもやっぱり「自分は日本人」という意識があるので、まったく。。。という気持ちを感じずにはいられない。
逆に日本語で挨拶されたら嬉しく感じるのだから、中国人も挨拶ぐらいなら嬉しく感じると思うけど、バカにした何も分かってないような言葉の羅列で声をかけてくるのはやっぱり腹立たしいと思う。
日本にいて外国人をからかうような行為は、自分からしたら考えられないことなのでそれらの行為がとても無知をさらけ出しているだけのようにみえる。
この人は、何も知らない人なんだなと勝手に思うようにしてる。
ただラテンの国々の人が、みんなそういう人達だというわけではない。ちゃんと「あなたは中国人なのか?日本人か?それとも韓国人か?」など律儀に聞いてくれる人もいる。
大体の場合は「チーノ(中国人)」なんて声をかけてきて、「ハポネス(日本人)だよ!」って言い返すのだけど、こっちではチーノはアジア人を呼ぶときの愛称らしいのだけど、ついつい違うよ!って言いたくなる。
日本人が南米を観光すると、嫌な思いをする一つかもしれない。
余り酷いのには言い返したりするけど、軽いやつは最後には無視したりして自分が疲れないように、良い方法を考えましょう。
となんでこんなことを先に書いたかというと、先日いったお店「Del Carajo※(デル・カラッホ)」
ペルーのアフロ音楽やダンスショーを見られるお店。
というお店に連れていってもらったときに、外国人にペルーのアフロダンス(フェステホ)を踊らせて誰が良かったかを競い合うコンクルソみたいなものがあって、自分も参加した(させられた)のですが、その時に、先に書いたようなことがありました。
彼らからしたら、悪気はないと思うし、その場を盛り上げようとしてやったことですが、自分的には腹が立つことでした。
一人ずつ紹介していくのですが、しゃべろうとしたら、司会の人は中国語風にマイクでしゃべってるし、挙げ句の果てに映画「ベストキット(日本名)」のあるシーンのマネをさせられる。まぁでも空手の映画?(いやあれは空手だったのか?)であながち間違ってないのかもしれないけど。
盛り上げるための演出ということを自分も理解して、それにノって楽しみました。
その時点では全員がこの日本人(中国人)踊れないだろうとうい考えの中にいるんだろうなというのが分かっていたので、ぜったいビックリさせたいという思いを隠しながら。。。
踊ったあとには、日本人だってアジア人だって踊れるんだぜって心の中で思ってスッキリしました。
それでもホント自分の踊りはまだまだ未熟すぎて、踊れたとは言えないのでまた練習頑張ろうと思えた瞬間でもありました。
即興の力も磨きたいので、踊る機会があるときは、良い機会だと思ってこれからも踊っていきたい。急にふられたときに出てくるモノがこういうものなんだってのを確認できる。
ほんとある意味カラッホって感じです。
※Carajo・・・くそったれ!みたいな意味があるが、時と場合によるらしい。
30歳 -自分とサルサとこれから-
7月5日で30歳になった。
特に何も考えることなく勉強して、何かしらの仕事につけたらいいなと思っていた10代。
小さな村の、その中のもっと小さな地域、半径5kmくらいの狭い環境の中で育ってきて、その中での「赤石嘉寿貴」という存在しか見いだせていなかった。
実際に働くことで、将来どういうふうになっていたいのかを考え始めた、迷っていた20代。
働き出して一人暮らしを始め、自分の行動できる範囲が広まるにつれて、世の中にはそんなことや、あんなことがあるんだと知り始め、もともと好奇心旺盛な性格もあって、やったことがないことにもチャレンジする。
将来はどんな自分になっていたいのか?
それが分からず、自分の興味が向くものには何でもかんでも関わってみた。そうしていく中で、自分のやりたいことが何か見つかるんじゃないか、そんなふうにも思っていた。
とにかく何がしたいのか分からない自分をわきに置いて、何でもかんでも経験をすることで、幸い自分のやりたいことには出会えた。
一つのペアダンス・サルサが与えてくれるもの
それに出会ったときには、そこまでやっていきたいと思えるようなモノではなかった。でも、なんでキューバにまで行って勉強しようと思えるほど好きになっていったのかな?と考えると、
一つは、ダンス自体が楽しさを自分に与えてくれる。
もう一つには、サルサを続けて行くことで、たくさんの人達と出会い、仲間と一緒に活動していく中で、自分の存在価値が見いだせたからかもしれない。
もちろん、自分がその中だけでしか生きていけないというわけじゃなくて、例えるなら、自分が一つの彫刻のように、様々な人と触れあうたびに自分の存在が少しずつカタチになってくるという感覚だろうか。
生身の人と触れあうたびに、自分がどんな反応をするのか、こんな時には、自分はこんな反応するんだとか、色んな感情がわいてくる、その反応をよく観察することで、ようやく自分がどういう人間かがよくみえてきた。
自分はこういう人間なんだー!って言えたらどんないいかと思うけど、そう言えないのも自分らしいのかもしれない。
よく他人の敷いたレールを進むとかいうけど、たしかにレールが通る道は整備されて、安心して、傷つくことなく走って行けるかもしれない。そこに乗って走っていってもいろんな経験をするだろうし、それもまた良いのかもしれない。
行き先が分かってるっていうのは、いつ到着するのか、どこまで行けるのかが明確で、心も安心する。
でも自分はそれがつまらないモノに見えてしまった、何もなければ、あ〜何十年か後にはこうなるんだな〜って、だから、自分が選んだ道を、時にはだれも行ったことがないような道にも踏み込んでみる方が面白そうに思えた。
それでも、どんな時にも助けてくれる人達が自分の周りにあらわれるのだから、レールを走っていないと思っていても、本当はそうじゃないのかもしれない。
今までに会った人の中で、自分の父親と同じくらいの年齢の、当然だけど父親とは違う人生を歩んできた人達がいる、父親と同じ年だからか、それとも別の何かか分からないがとても親近感があって、いろんな話をしてくれる。
同じ話を何度もしたりするときもあるけど、自分なんかよりもたくさんの冒険談、面白い話をしてくれる。役に立つ話や、くだらなくて面白い話。
おれがお前くらいの時には。。。なんてよく言われて、くやしいけど、それを聞いていると、自分がいろんな人達と関わって来たと言っても、まだまだ冒険がたりないな〜なんて思いしらされる。
自分が彼らと同じ年齢になったときに、同じように役に立つ話、面白いくだらない話なんかができたらいいなーなんて思う。
だからいつも冒険する心、好奇心は失わずにこれからも歩いていきたい、いや30代はもう少し走ってもいいのかな?
自分のやっているダンスで何ができるのか?
自分と踊って、楽しいと思ってもらうことはもちろん、一緒に気持ちよく踊りたい。楽しくなってくると、多少暴走することもあるけど。。。
踊ってもらう人には、リードを感じて気持ちよく踊ってもらいたい。ペアダンス・サルサには男がリードするという役目があって、ただリードする、回すそれだけじゃ女性に気持ちよく踊ってもらえない。
まずは音楽を知って、流れを読んで、それにノっていく。
サルサ(ティンバ)の音楽を温度に例えると、冷たい水から、熱くなったり、また冷めたりと、曲によってその温度は変わっていく。
「気持ちの温度」と「曲の温度」がぴったり合うと、気持ちよく踊れると思っています。
曲の温度は低いのに、急に熱い踊りをされると、まだ気持ちは暖まってないので、ちょっとビックリしちゃいますよね?
と話はそれましたが、サルサを踊るときにそんなとこまで考えなきゃならんのか、サルサって面倒くさいななんて思われそうだけど、おれの先生の受け売りで、曲の流れを読むことは踊るための重要な要素の一つだとおれも思うので、しっかり考えながら、というか、音楽はリズムを刻むだけのものじゃないので、曲の表情も良く観ながら(聞きながら)踊る。
こう考えると、男性はリードして、曲の流れを読んで、自分の踊りもしっかりしてと、ペアダンスでは男性の超えなきゃいけないハードルが女性より高い。
だから何が言いたいのかっていうと、サルサに限らず、ペアダンス、特に2人で手をとりあって踊るものは、続けていこうとする人自身に様々な経験をさせてくれます。
他の種類のスポーツにも同じことが言えると思いますが、サルサもまた心や体の成長を促してくれます。
ソロのダンスも、踊って人に見てもらったり、そのために練習をしたり、集団で踊ることで、自分に自身を持たせてくれたり、仲間と心を通わせることを学んだりする。
自分は、ペアダンスを
言葉を使わないコミュニケーション手段だと思っていて、これが磨かれることで、普段のコミュケーションの力も上がって来るんじゃないか
と自分の経験でそう感じています。
初めて会う人と、体と体を近づけあって踊る、最初は照れくさいし、自分の動きだけで精一杯で、リードも伝わらないかもしれない、頭は真っ白で、「次は何したらいいんだろ?!」と思いながら、同じことを続けながら、時間はいつのまにか流れ流れて、一曲が終わる。
それはまるで、初対面の人と会った時に話をする感覚と似ている。
初めて会う人とは、
どんな話をしようかな?
この人は何に興味があって、どんなことが好きなんだろ?
次はどんな話しよかな?
他にも、たくさん考えますよね?
ましてや、人と会うこと、話すことに慣れていないと、ドキドキしっぱなし。
でも、ペアダンス(自分の場合はサルサが)では、まず、見ず知らずの人を誘わなければいけない。でも、話すときとは違って、同じダンスがツールなのでごく普通に自然に「踊ってください」と話しかけることができます。これで、ファーストコンタクトの問題はなんなく解決できますね。
人間は物理的な距離が縮まると、心理的な距離も縮まると言われていて、まさにペアで踊ることは、お互いの体の距離が自然と近づくことになります。
すべての人にそうとは言えませんが、心の距離も縮まることになり、なんとなく話もしやすくなります。
人は、初めて会う人に対してきっと何かしらのバリアを持っていて、そのバリアを解いてくれる、またはその中に入れてもらえるには、それなりの時間がかかることがあります。
それを解く鍵はいろいろありますよね。
安易な考えかも知れないですが、ペアダンスは簡単に、一瞬でそれを解いてしまいます。それでも、考えなきゃいけないのは、相手のバリアの内側にいるということは、相手も自分のバリアの内側にいるってことです。
踊り一つでも、この人は乱暴だなとか、曲ちゃんと聞いてんのかな? 何を思って踊ってるのかな? ちょっと自分勝手だな。なんて分かるときはあります。
それが、その人の人間性がすべてだとは言いません。でも一緒に踊るだけでも分かることはたくさんあるってことですね。
だからこそ、見知らぬ人と踊るときには相手がどうしたら気持ちよく、楽しく踊れるのかを考えなきゃいけない、そのために普段練習する。
どうしたら女性は踊りやすいのか、いつのタイミングでリードするのがいいのか、どのぐらいの距離感が心地良いのか?この曲の流れは?ココでこういう動きが入ったら楽しいかな?
こうして見てみると言葉のコミュニケーションと似てますよね?
コミュニケーションをとるときには、自分のことを話すことも(自分の踊りをみせることも)大事ですが、もっとも大事なことは相手のことを考える、思いやることじゃないでしょうか?
リードを感じ取ってもらうためには相手のことを考えなければいけません。自分勝手なリードは伝わりませんから。
と偉そうなこと言ってきた自分もまだまだなんですが。。。
まとめ
ますと、一緒に踊るときは、だいたい初対面ですから、初対面の回数が自然と増えていきます。そのたびに、この人はどこまで踊れて、どんな踊りをして、どうしたら楽しんでもらえるのか...etc
そのように考える回数も増えて、自分の思ったことを実践していきます。自分のリードや踊りがイマイチの時もあったいり、良いなと思える時もあったり、とにかくダンスを通して、コミュニケーションの回数を重ねていくことができます。
そうして、ダンス、考えの質の改善もしながら、量をこなしていくことでダンスが上達していくにつれて、コミュニケーション能力もどんどんと伸びていくんじゃないかと考えています。
またサルサ一つで、いろんな国の人とコミュニケーションがとれます。
サルサが踊れたことで良いことは、南米なんかにいるとそうなんですがチーノ(中国人と言う意味で、アジア人を呼ぶときの名称)が踊れると驚くし、上手く踊れてるとなるとそれだけで声をかけてもらえる。それで、ぐっと距離が縮まり、仲良くなれる機会が増えます。
サルサを楽しいと思って続けてきたので、それは思わぬ良かったのことの一つと言えます。
そうでなくとも、サルサはヨーロッパやアメリカ、中南米など世界中で踊られているので、踊れるだけでいろんな国の人達と仲良くなるきっかけを作るのには役立ちます。
自分は大人になってからサルサをやり始めたけど、他のスポーツなんかと一緒で、子供のころから始めたら心身の成長や、どんな場にも出て行ける社交的な力も養うことができるんじゃないかとも考えてます。サルサに限らず、ダンスをすることはスポーツと同じくらいの効用があるはずです。
ペアダンス、とくに自分はサルサをやっているので、それを生かして子供達にも習って続けてもらえるようなものを作っていきたい。
今までは楽しむ側の人間、教える側の先生としての話だったけども、もちろんダンサーとしての自分にもチャレンジしていきたい。
年齢的には遅いのかもしれないけど、なにができるのか?どんな表現ができるのか?
サルサや、自分の習った他のダンス、または日本、キューバで知り合った様々な人達、それらをつなぎ合わせて何か面白いことができないかを考えていきたい。
特に年齢を意識することなくここまできた、30歳になった、いや30年間生きてきた。
今はとても楽しいと思える毎日を生きている。これからも、楽しいこと、良いことがあると思う。でも同じくらい嫌なこと、つらいことがあるかもしれない。
それが人生で、だから面白い。
自分は何のためにこの世に生まれて、どこに行くのか?
だれもが「人生」という名前の世界を旅していて、その旅先でいろんなモノを見たり、聞いたり、人と出会ったり、色んな経験をしていく。
日本をしばし離れて、今は南米ペルーにいる自分を不思議に思いつつも、30年間生きることができた丈夫な体に生んでくれた両親、いろんな場面で助けてくれた人達、いつも暖かく迎えてくれる人達、自分に関わってくれるすべての人達に感謝しておわりたいと思います。